天然系洗剤と洗濯ボール

MOMに置いてある商品は、環境浄化に役立ち、からだにも良い……そう思って自分が使っているものがほとんどです。なかにはみなさんの要望で置くものもあります。例えば洗濯用品。私自身は洗剤も石けんも使わずに洗濯ボールを使用していますが、家族の要望で洗剤を使いたいという方や、合成洗剤を止めたいけれどもいきなり洗濯ボールという気にはなれないという方には、次善策としてして天然系洗剤のご使用をお勧めしています。

 

 「シャボン玉石けんはないんですか?」などときかれることがあります。
「はい、石けんは常置していません」。その理由は、主に以下の3つです。

@天然系の洗剤に比べて生分解が遅く、環境により負担がかかる
A原料に動物性油脂を使っているものがほとんどである
B石けんカスによって洗濯機や排水パイプが詰まってしまう

「それでもやっぱり石けん」という方には、取り寄せてご提供いたします。合成洗剤を使うよりは明らかによいと思いますから。ただ、店のスペースが少ないので、ベストと思うものだけしか常置できないのです。

私は洗濯をする場合、石けんも洗剤も使いません。洗濯ボールだけで十分だと思うし、臭いや汚れ落ちにも不満はないのですが、お客さんの中には「家族(たいていは夫)が嫌がるから」という理由で石けんや洗剤がほしいという方がいます。それで「シーマイルド」(洗濯・台所・住まい兼用)という天然系の洗剤を置いています。

台所でもほとんど洗剤を使用せず、水とヘチマだけで食器を洗っていますが、「まだそこまでは…」という方もいらっしゃることでしょう。まずは合成洗剤をやめることが第一歩。それからだんだんと、エコロジー生活にハマって行かれたらよいのではないかと思います。

石けんや洗剤を極力使わずに掃除や洗濯、洗い物などをするには、ちょっとしたコツがあります。例えば、「ニオイが取れないのが気になる」という方、小さじ1杯の粗塩を入れるだけでかなりニオイが落ちます。また、家族がどうしても香りを求める」という場合には、エッセンシャルオイルを2〜3滴たらすという方法もあります。

安全で、ラクチンで、楽しいエコロジカル・ハウスキーピングの参考書「天使は清しき家に舞い降りる」(集英社)を読んでみませんか?目からウロコガ落ちること請け合いです。楽しい工夫の他に、現在、ほとんどの家庭で使われている洗剤類に、いったいどんな危険なものが入っているのかも教えてくれます。

さて、ここで、巷で誤解されていることが多い洗剤の表示法について少しお話したいと思います。私がおすすめする天然系洗剤も、裏の表示を見ると「合成洗剤」と書かれています。だから恐らくほとんどの人は、「なんだ、安全だとか自然だとか言うけど、合成じゃないか」と思ってしまうことでしょう。これには次のような事情があります

実は、日本国内では「天然洗剤」という表示は有り得ないのです。「合成洗剤」「石けん」「複合石けん」(合成洗剤と石けんをまぜたもの。安全な石けんだと誤解して使っている人もいるはず…実は私もその一人でした)という3通りの表示しか許可されていないのです。ですから、たとえ有害な化学物質を一切排除し、合成界面活性剤を使用していなくても、石けん成分が含まれていないものは一括して「合成洗剤」と表示するほかありません。

そんなこともあって誤解されやすく、環境関係の書籍や雑誌などでも、未だに「石けんがベスト」という考えが根強いようです。「合成洗剤」の表示を指摘して「天然を騙った合成洗剤」などと批評したりするケースまであります。こうした無知や誤解による記載に対しては、メーカー側も訴訟を起こすなど対処しているという話をききました。

確かに、大手洗剤メーカーが、植物性の原料を少々加えただけで、危険な合成界面活性剤入り洗剤を、あたかも安全であるかのように広告しているものには要注意です。成分表を見て、界面活性剤の種類や、有害物質含有の有無を調べるのは、一般の人にはちょっと難しいかもしれません。環境問題に詳しい店で確かめた上で使う銘柄を決め、継続して使用していくのが無難でしょう。

簡単な見分け方としては、○王、○&G、ラ○オンといった大手洗剤メーカーから出ているものは皆、正真正銘の合成洗剤であり、本当に植物成分だけで、天然の界面活性剤を使っているというものは、小さな名もないメーカーのものがほとんどです。価格設定も、一見すると高めですが、決してバカ高くはありません。

ヤシ油を主原料とした天然系洗剤が多いことから、それが第三世界の環境破壊につながるという指摘もあるようです。「何も使わない」というベストに次ぐベター(次善)策としては、主に原料に動物性脂肪、製造過程で劇薬の苛性ソーダが使われている石けんに比べたら、天然系洗剤の方が幾分マシなのではないか、というのが私個人の見解です。  また、石けんと天然系洗剤を比べると、後者の方が断然、生分解がはやいのです。つまり、排水管から川や海に流れ出た場合、水をより汚さずに済むのです。

人によって意見は分かれると思いますが、いろんな情報を集めながら、自分自身のカンで選択していくしかないのでしょう。新しい情報を知って「自分は間違っていたのだろうか」との思いが強くなったら、潔く切替えていけば良いのだと思います。

最後にちょっと辛口のご意見を紹介します。「合成洗剤を使っている人は、浄水器をつけたりボトルドウォーターを買って飲む資格はない」…ちょっと厳しすぎるでしょうか?ご自身はもちろん洗剤を使っていないとのことですが、浄水器もつけずに水道水を飲んでおられるそうです。「自分が汚した水の責任を、もっと自覚するべき」というお考えなのだそうです。見習いたいと思います。 

以前、地下水を飲んでいる地域の人が、排水にものすごく神経質になると言っていました。そのまま自分の口に入るわけですから当然ですよね。でも、私たち水道水生活者にとっても実は同じことで、結局流した水が循環して口に入っているんです。ただその経路が長く、見えにくいだけ。本当ならもっと危機感を持たなければならないのではないかと思います。