自然な育児 おっぱい育ちのすばらしさ
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(「マムだよりvol.1」より転載)
人間であれ、動物であれ、初めての母乳育児というのは意外にうまくいかないものだといいます。それにもかかわらず、たいていの妊婦さんは、保健所や病院のマタニティ教室などに参加する程度で、それほど真剣に取り組もうとはしないようです。ある調査によれば80%の女性は赤ちゃんを母乳で育てたいと希望しているのだそうです。なのに母乳育児をサポートしている人々の声を聞く前にすでにあきらめている人が多いのはなぜでしょうか。
その理由として、「母も出なかったから、自分もどうせ出ないだろう」という声が多いのです。自然育児相談所の山西みな子先生は、「20余年前からすでに、母乳育児をめぐるサポートシステムが狂っていた」と指摘しています。
J・ルソーは「17世紀において農村の労働力は都市へ流入し、女性も仕事に就くようになった。農村で植物性の食事をしている母の赤ん坊は腹痛をあまり訴えず、母乳をよく飲む。都市在住の人の動物性の食物は赤ん坊がよく泣く」ことについて、その著書『エミール』の中で触れています。
実家の母が母乳をあきらめて粉乳で育てたという真の原因は、まさにJ・ルソーの指摘のごとく、腹痛を訴えて泣く子を前に、「おっぱいの出ない乳房」だと勘違いしたことにあったのでした。だから「乳房は硬くしこるばかりで、子は飲まず、結果として出ないまましおれてしまった」というわけなのです。
粉乳は「とろとろ」とまた「うとうと」と子らを眠りの世界へと誘います。「起きて寝る子の面憎さ、寝る子のかわいさ」は粉乳の子の特徴です。母乳、それも品質の良い母乳は「起きてきらきらと輝きよく遊ぶかわいらしさ」にみなぎるのです。 (自然育児相談所・所長山西みな子先生 『正食』1998年4月号より)
それでもおっぱいの出ない人もいる……?
●母乳育児を巡る幾つかの誤解…その7●
Q: 努力したにもかかわらず母乳が十分に出なくて、ミルクでわが子を育てた私は、母親として落第でしょうか?
A: 決して落第ではありません。その理由は、わが国で今母乳育児に求められているものは、「今なぜ母乳か」というより、「今なぜ授乳か」という点に留意して頂きたいと思います。更に私達が今、"すべてのお母さんが母乳で育児できる幸せを"と言う命題を大きく掲げているのは、母乳育児が「お互いに一体感を持ちうる母子関係」の成立へ向けての最も理想的な道であるからです。
ご承知のように育児の立場から考えると、子供が親からスムースに自立するには、以前に母と子のお互いが一体感で結びついた感情を体験することが必要だと言われます。子供が成長するためには、母親という絶対的な安らぎを与える場が必要であり、子供は母親の懐をベースキャンプとして、好奇心や冒険心を満足させながら成長し、やがて自立してゆきます。
この母と子の一体感、そしてそれをもたらす基本的な信頼basictrustを育てるのに最適なのが、五感を総動員して行われる授乳行為による母子相互作用の様々なのです。しかもこの授乳行為は赤ちゃんの母に対する愛着を育むだけでなく、母性愛ホルモンと言われるプロラクチンが分泌されることにより、母性をより成熟させてくれる自然からの贈り物でもあります。
このような理由から今、授乳という好意の持つ意味が大きく評価されるようになったのです。残念なことですが、あなたは母乳育児に失敗されたとか。その原因が奈辺にあるかは存じませんが、十分に努力した末であれば、何も卑下する必要はありません。あなたが出産された施設自体が、母乳育児へ向けてスタートが切れるように十分なお手伝いをしてくれたかどうか、それも大きな問題です。なにぶんにも現在のわが国には、そのような施設が余りにも乏しいと言う事情があります。
それに一体感を育てる道は何も母乳保育だけではありません。授乳行為ひとつを取っても、哺乳瓶で哺乳する場合も、事務的にならないで、母乳保育の場合のように愛情を込めてやさしく語りかけながら与えれば、決して母乳保育に引けを取るものではありません。
しかも一体感は日常の身体接触(スキンシップ)によっても容易に醸成されることが知られています。例えば抱っこ・添い寝・おむつ交換など多くの機会を見つけることが出来ます。特に抱っこと添い寝は母子手帳に再登場したように、今日その行為の持つ意味が大きく評価されていることはご承知のことと思います。
このように今我々に問い掛けられている「今なぜ授乳か」と言う命題の核心は、授乳という行為を通じて、母と子の間に交わされる心の交流がもたらしてくれる相互の信頼関係の確立であります。したがって、もし仮に努力しても母乳を十分に確保できなかった場合(現実に正真の母乳分泌不全の母親が2〜5%は存在すると言われます)は、何ら劣等感を感じることはありません。堂々と不足分を哺乳瓶で補足しながら育児を楽しみましょう。とにかく楽しくない育児は本当の育児ではありません。ただし直接乳房を与える場合以上に、やさしく心をこめて。
上の文中、下線部に注目してください。岡村先生によると、母乳は95〜98%の人は必ず出る。母乳分泌不全以外で「出なかった」という人は、出す準備が十分に行われていなかった、あるいは出産した施設の無知または無理解によって、本当なら出たはずの母乳を止められてしまったということなのです。
しかし、妊婦さん自身の勉強不足ということもあります。自分のおっぱいですもの!妊娠がわかったら、食生活や正しい乳房の手入れなどを勉強し、実行しましょう。また、出産場所は単に自宅に近いなどの理由だけで選ばず、母乳育児への理解がどれだけあるかをチェックしましょう。
また、どうしても母乳が出ない人、最初のつまずきから出なくなってしまった人はどうしたらよいのでしょう?MOMが提案する対策はこちら。
・母乳栄養ではなく母乳育児なのだ
・70年代の母乳は高度に汚染されていた
・ダイオキシンは子宮内膜症の原因か
・わが国のダイオキシン汚染の現状は
・母乳をダイオキシンの汚染から守るには
など、母乳に関するさまざまな情報が満載です。あなたも覗いて見ませんか? Q&Aコーナーや意見箱などもあります。
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